岡野史佳を読む

人生に多大な影響を与えた岡野作品のことを綴ります

ためいきのシュガー (1987年 ララ9月号)

フルーツ果汁の5巻末に収録されている本短編なんですが、

なんだろう

すごく普通なんですよね。

登場人物やその悩みもそこらへんにありそうな、本当に普通なんですよね。

言い換えると、奇妙なところがない。

岡野史佳作品に出てくる「次元の違うところに住んでる」子たちや出来事とはちょっと違うんです。

1/4スペースで岡野先生も「愛未ちゃんはワガママで、岡野史佳らしくない」などというクレームの手紙が……ということを書いてらっしゃるのですが、

私は彼女をワガママだとはまったく思わないものの、本作品自体が岡野作品らしくないなあとは思います。

好きな人の傍にいるためにお医者さん目指して一所懸命勉強してきたのに、失恋して目的意識を失う。そこに現れた自分のことを心配してくれる男の子が気になりだして……で、ふっ切れたので髪もショートにしてめでたしめでたし。

という、あらすじ書いてるだけでも普通のお話です。

ところで、私はこの作品はちょっと凝ったトーンワークがあってそれが気になります。

何か実験でもされていたのでしょうか。

 

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P146 睡眠薬依存は確かに怖いが、瓶を見ただけでそんなにびびるもんだろうか

P149 1/4スペース アツキオオニシのヒョウ柄のパジャマが気になる

P170 慣れた感じでタクシー止めて乗っちゃう高校生すごい

P172 え?福岡にホブソンズあったの?

P173 いずみちゃんかわいい、この作品のヒロインですね

P175 舞鶴公園行ってみたいなー