岡野史佳を読む

人生に多大な影響を与えた岡野作品のことを綴ります

瞳の中の王国 第12話 (1992年 ララ10月号)

 

 そしてエピローグ……

生命は廻る、やはり水族館は宇宙でしたね。

飼育されている動物たちを取り巻く環境も、

展望が開けるような感じで、

ドリーとアミーの子供も、

より自然に近いところで人とコミュニケーションして

暮らしていける、そう予感させます。

そしてなんといっても小林さん。

わたし、こういう大人にそばにいてほしかったなあ。

ほんとこの作品でのMVPですよ。

岡野先生も、彼が八面六臂の活躍をするとは

思わなかったのではないだろうか。たぶん。

個人的な話で、

2月29日という日は、倉本深青ちゃんの誕生日なんですが、

2008年の2月29日はわたくしのだいじな友人の命日でもあるんですよね。

彼もこの作品を気に入ってくれてたのですが、

よりによってその日に亡くなるなんてなあ、と

いつもしんみりしちゃうのです。

 

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P153 1/4スペース

marine-world.jp

いつか行ってみたいマリンワールド

P188 CHATTER BOX

シュルツさんにお手紙のお返事もらったお話。

わたしも岡野先生からファンレターのお返事いただいた時は

ほんとゆめみたい……と思ったものです。

瞳の中の王国 第11話 (1992年 ララ9月号)

 

 校内の公衆電話から深青の家電にかけるちかちゃん、時代を感じさせますね……しかし一矢の元へ行くのに小林さんが背中押してくれてるのは大きいんだけど、家まで来てくれるのはやっぱり距離の近い同級生なのであった。まあ、小林さんにすがりついて泣くわけにはいかんもんな。

そして、深青と一矢はようやく二人でドリーの死を悼む場所をもつことができたわけです。「わがままな恋を投げたくなるほど」って書いてあるけど、これはもう家族の愛情ですよね。

さて、問題の大谷先生もここで出てくるわけですが、彼は彼の大人の職業人としての理屈で動いていたのであり、悪者というわけではありません。ちゃんと救済してくれてるよね。率直に謝罪してるのはもちろんですが一介の高校生相手に「うらやましかった」って言えちゃうおっさんにきゅんきゅんしちゃいます……かわいい!

さて、知らんうちにひっついていた雪乃さんと圭梧さんですが、この裏ではどんなドラマがあったんだろう……前回雪乃さんから告白してて、圭梧さんが「ゆきの」って呼び捨てにするとこから何があったのか知りたいです('ω')ノ

まあ、不器用な一矢もちゃんと深青に返事をして、物語はエピローグへ。

 

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P105 「グレート・ブルー(グラン・ブルー)」のお話。

私も当時映画を観に行き、完全版はLDを擦り切れるくらいみたものです。映画観に行ったのは瞳の中の王国より前でしたので、運命を感じました。

岡野先生にファンレターでグラン・ブルーのことを書いて送ったのですが、お返事に「グレート・ブルーとは異なった(より深い)感動を味わいました」と返してくださってました。

先生のイルカに対する思いは、コミックスでぞんぶんに受け止めましたよ!

 

 

瞳の中の王国 第10話 (1992年 ララ8月号)

 

 水族館や動物園もそうなんですが、たとえば個人でも生きものを飼うってどういうことなのか考えさせられますよね。まあ、つきつめると人間もなにか飼育下にあるようなもんかもしれん。いろんな制約のなかで生きてるし……

ともあれ、死力をつくして戻ってきたドリーですが、一矢の胸で息をひきとります。「ドリーが戻ってきた!」って超絶歓喜してからのことですがら、その悲しみやいかに(´・ω・`)

そして深青は一矢の良き理解者、というより世界を共有する仲間として覚醒してます。「ひとつになれない宇宙はないよね」ってもはや宗教指導者の域ですよ('ω')ノ

あときになるのは小林さんだな。「ちょっとだけ大人になるってことだよ」って虚ろな目でつぶやいてたけど、彼の過去にはなにがあったんだ!w

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P55 1/4スペース そうそう、当時ジョン・C・リリー博士のことは調べたりしたのですが、わりと危険な実験、というよりこれは麻薬中毒者の妄想なのでは……

瞳の中の王国 第9話 (1992年 ララ7月号)

 

 ドリーの出奔、そして喪失感に打ちひしがれる一矢。

なにもできないもどかしさが深青を支配するんですが、

お父さんがかける言葉がすばらしすぎますね。

愛情の深さを感じられて、こういう親子関係って良いなあと思います。

深青もそもそもまっすぐだし、行動的なんですよね。

その背中を後押ししてくれる頼れる存在、素敵だ。

そして一世一代の大告白をするわけなんですが、

この前に一矢は二回も深青の目をドリーになぞらえてるんですよね。

これってすでに告白ではなかったのか、とも思います。

まあ、直接答えを口にするような状況ではないっていうのもわかるんですけど、

上着を深青にかけてやるだけってのも一矢らしいですよね。

 

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P19 1/4スペース そういやわたしも岡野先生に何か贈ったな……

そのときお返事でポストカードを頂きました。今でも額に入れてかざっています。

P25 「うれしいくせに」という深青ちゃんのかるい嫉妬目すき

P30 万人にやさしい小林さん。彼は幸せになれるとおもう。

 

 

LITTLE LITTLE SONGS (描きおろし)

 

 2+2+4ページのポエムな短編です。

キャラや設定のまったく違う3篇で、出会い・別離・再会というようなテーマでしょうか。ファンタジー要素はないです。

 

1.サマータイム・シャワー

自分を潤してくれる相手との出会い。雨が素敵に思えてきます。

2.海の底でうたうひと

死別した人との思いをかかえ、穏やかに生きていく、そんな切ないお話。

3.風のことば

中高生らしい、かわいらしいデートと恋のかけひき。女の子、上手ですよね。

 

1/4スペースで、巻末おまけつけましたってかんたんに描いてるけど、印象に残る短編です。

瞳の中の王国 第8話 (1992年 ララ6月号)

 

 ドリーが去ってしまう、

一矢の世界はどうなってしまうのか、

それがいろんな人たちを不安にさせる。

愛されてますよね、一矢って。

私が印象的なのは深青ちゃんが自分のことを

小林さんに似てるのかもって思うとこです。

そしてその後で小林さんと話して、

ぜんぜん強いって感じる、そういうとこ。

でも人にやさしさを与えられる、

そういうとこが深青の強さなんだよなあ。

しかし、小林さんけっこういい線いってたんですよね……残念!

 

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P138 ドライスーツみるたびにこのシーン思い出しちゃう。

なんならあまんちゅ読んでても思い出す(`・ω・´)

P145 1/4スペース イルカの声のCD。わたしもいくつか買いました。

たしか梅田のネイチャーカンパニーで。

P151 1/4スペース 化石掘りのお話。

瞳の中の王国 第7話 (1992年 ララ5月号)

 

 ドリーを海に放す計画のはじまり。

あれなんですよね、

少年の純粋な激情と大人の冷静な常識とのせめぎあい。

そして、一矢は狡猾な大人に手玉にとられるわけです。

それをそうとは知らない、まだ幸せな時。

もちろん狡猾って言っても大谷先生は悪い人じゃない。

子供はそういうもんだし、気が済むまでやらせれば?

という感じで完全な大人として描かれる。

圭ちゃんは雪乃さんは一矢の気持ちに寄り添ってるぶん、

まだ若いんでしょうね。

そして小林くんがかっこよいよね。

「守ってやる」だってさ。

わたしが雪乃さんならぐらっとくるな……

以下メモ (ページ番号は単行本のもの)

P97 1/4スペース 音楽の話

ザバダック鈴木祥子さねよしいさ子あがた森魚ムーンライダーズ鈴木さえ子はっぴいえんどYMO矢野顕子、たま、溝口肇、リアルフィッシュ、筋肉少女帯ケイトブッシュ、エンヤ、スクリッティポリッティ、ビートルズ

P98 もう見られない485系電気釜の特急、どこに行くやつだろー

BGM

大ピース

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