プリズムーtheir seasonー (1987年 ララ6月号)
単行本「海育ちの風」の2編目に載録されている「プリズムーtheir seasonー」です。男女間の友情は成立するのか、という当時の少女漫画に散見されたテーマ。幼なじみの親友同士が、突如現れた当て馬女子の出現によって、自分たちの間にあったお互いへの感情が恋愛であったと認識するという……
「海育ちの風」よりはだいぶ人物の絵柄も丸っこく、目も大きくなってます(@_@)
さて、いきなり地学のノートから始まるこの作品、主人公の藤井ひかるさんはなんと地学研究部なんですねー。目下大ブームのようですが、30年早かった('ω')ノ
舞台は福岡ですね。交差点に「天神西」の表示が見えます。
このアベック、しょっぱなから新入生の見た目に点数つけてたりして、なんとも感じ悪い"(-""-)"北原侑也くんが宮尾幸子さんに100点つける前振りなので仕方ないと言えばそうなのですが……そういう理由で私はいくら北原くんがスポーツできて背が高かろうが、ひかるが地学研究部がんばってようが、好きになれないのです(゜-゜)
ひかるさんの友達のみゆきさんは良いキャラですね。客観的な第三者というやつです。37℃のちはるさんみたいな、こういうポジションにいる子は気になって仕方がない。
幸子さんと付き合ってる間に制服は夏服へと変わり、ビールのおいしい季節になってしまうわけですが、ここらへんが80年代っぽくて本当に良い。たんに今では表現的に見ることのできない飲酒描写が懐かしいというわけじゃなくて、その時代における「ちょっとばかし悪いことをする」ドキドキ感だとかその当時のおいしかったかどうだったかわかんない酒の味を思い出すからなんですよね。
あたしたちは
あのあと
学校
休まなかったけど
苦いビールの
アルコールが
まだどこかに
残っているようで
胸が熱くて……
このラストのポエム、私自身がもう飲酒ができない身体ですので、
本当に胸が熱くなります。
以下メモ (ページ番号は単行本のもの)
P42 喫茶店の名前「MILKY MOON」
P48 BGM
そうそう、岡野作品でPSY・Sが初出です。
うちにある「ピクニック」のLPとCD。松浦博士いわく、CD化のマスタリングの時に手違いがあり、1曲目「Woman・S」の一音目のスネアがCDでは抜けています。スネアで始まるか、バスで始まるかで曲の印象って大きく変わります、よね?( 一一)
P49 Comet Hour・2
岡野史佳先生自己紹介。当時ネットも何も無かったから、作家個人の情報ってこの1/4スペースに頼ってるところが大きかった。ここで触れられているものは片っぱしから集めて読んだり聴いたり観たりしたなあ……
ちなみに私は誕生日が岡野先生と一日違いです( ゚Д゚)
P61 Comet Hour・3
ボールペンをプリズムにしての日光スペクトル観察!やったやった……
P80 「Olive」ひかるの部屋に置いてありますが、裏表紙の広告がPESON’Sで時代を感じる。
P84 問題の缶ビール登場。サントリーのペンギンズ・バー!
もしかしてBGMの松田聖子つながりなんだろうか……
そういうわけで、本編が載録されている単行本はこちらです('ω')ノ